事例紹介/事例12 病理診断の結果: ステージ1の膵臓がん

当事例の概要

前回の腹部造影CT検査(事例11)にて、膵体部に遅延濃染を認めた症例です。追加精査のため、今回は腹部造影MRI検査を実施しました。
膵体部には拡散強調像が高信号、T1強調像で軽度低信号のほか主膵管途絶および上流の軽度拡張、微小嚢胞、遅延濃染を認め、膵体部がんの可能性を指摘しました。

病理結果

Pt TS1 pT1 cN0M0 stageⅠA

撮影内容

MRI(造影有)

所見

当院初回のMRIです。2021/07/28のCT参照しました。
膵は全体に萎縮し、脂肪置換、辺縁凹凸を認めます。慢性膵炎に伴う形態変化の可能性があります。(図1)
膵体部にT1WI軽度低信号、DWI高信号、主膵管途絶、微小嚢胞、遅延濃染を認めます。上流の主膵管が軽度拡張しています。膵体部がんが疑われます。(図1-5)

隣接臓器や脈管への明らかな浸潤はありません。
肝は脂肪肝です。肝に小嚢胞を認めます。
胆嚢内に微小胆石を多数認めます。(図6)
胆管拡張、結石はありません。
両腎嚢胞を認めます。
副腎、脾臓に異常所見を認めません。
結腸に多数の憩室を認めます。炎症所見はありません。
上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。

診断

膵体部がん疑い。(図1-5)
EUS、細胞診などで確定診断をお願いします。

隣接臓器や脈管への浸潤、撮像範囲内の遠隔転移はありません。
脂肪肝。胆石(図6)。

当サイト監修
Seishi Sawano, MD, PhD
澤野 誠志 放射線診断専門医
AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
AIC画像検査センター 理事長
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