膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見に関するQ&A/ IPMN、膵管拡張等の次回検査?
Q

膵嚢胞(IPMNを含む)、主膵管拡張、膵限局性萎縮などの経過観察は、どの程度の期間で行えば良いですか?

A
答え:膵嚢胞(IPMNを含む)、主膵管拡張、膵限局性萎縮などは膵臓がんの遺伝子変異が既に生じていることを予期する画像所見です。これらの画像所見は膵臓がんの出現が近づくと悪化することがわかっている為、当初は12か月~24か月のスパンで経過観察を行いますが、所見の悪化を確認した場合には、経過観察期間を短く(6か月以内)設定して膵臓がんの早期発見を目指しています。
(膵臓がんの特徴)
  • 1.
  • 膵臓がんとなると成長が早い
    膵臓がんは一般的に上皮内がん(ステージ0の膵臓がん)が生じてから約2年で転移すると言われています(膵臓がんになると進行が早い)。成長の早い膵臓がんですが、初期のがんの成長速度は比較的緩やかであり、がんが大きくなるにしたがって増大する速度も速くなっているようです(膵臓がんの進行速度参照)。
  • 2.
  • 膵臓がんの遺伝子変異から膵臓がんになるまでの期間は長い
    膵臓がんは遺伝子変異を起こした後、膵臓がんとなるまでは10年~15年と非常に長期間を要することがわかっています。
  • 3.
  • 膵臓がんの遺伝子変異を起こしていることは画像所見で確認できます。
    膵嚢胞(IPMNを含む)、主膵管拡張、膵限局性萎縮などは膵臓がんの遺伝子変異が生じたことを予期する画像所見です。継続的に経過観察をしていくと膵臓がんの出現が近づくと悪化します。この仕組みを手掛かりに膵臓がんが出現するタイミングを予測しています。
(内容)
IPMNに関する詳細は以下のページを参照してください。
https://www.m-satellite.jp/suizou_hp/checklist/suinouhou.html
主膵管拡張及び分枝膵管の拡張に関する詳細は以下のページを参照してください。
https://www.m-satellite.jp/suizou_hp/checklist/suikan-kakutyou.html

参考 )

膵臓がんがどのようなスピードで進行するのか。

膵臓がんは一般的に悪性度が高いとされており、がんの進行速度が早いといわれます。しかし、どのような日数でどの程度進行するかということを研究した論文は非常に少なく、正確な進行速度はわかっていません。

以下の膵臓がんの経過は、当院ではない、ある病院で行われた腎臓がんフォローアップ症例です。検査の主目的が腎臓がんであったために、並列で発症していた膵臓がんが一定期間見逃されていました。膵臓がんの進行速度を示す、大変貴重なデータとなりましたので、この症例からわかることを以下にまとめました。

当院の診断体制をご紹介します
  • 経過観察で悪化しているか診断
    「MRI/CT等の画像検査で膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見」があります。 当該所見は膵臓がんの発症が近づくと悪化することがわかっていますので、経過観察時に行った検査画像を元にその差を診断することが非常に重要です。
  • スコアリングシート
    診断プロセスは画像診断報告書に記載されており、過去の診断書と見比べることで当該画像所見の推移がわかりますが、これをよりわかりやすくするため、膵臓スコアリングシートを作成しています。 膵臓がんを早期発見するための取組み
  • 全12病院の医師が診察
    膵臓疾患を専門とするAIC八重洲クリニック常勤医と12病院の膵臓外来(膵臓臨床医師)と膵臓ドック 結果説明外来(放射線科医師) を設置しています。 各医師が、当院にて診療を担当します。

    AIC八重洲クリニック(東京都日本橋)

    AIC八重洲クリニック①公益財団法人がん研究会 有明病院③東京女子医科大学病院⑥東邦大学医療センター大橋病院⑦順天堂大学医学部附属順天堂医院⑧聖路加国際病院⑨慶應義塾大学病院⑩東京医科大学病院⑪帝京大学医学部附属病院⑫東京医科歯科大学病院

    八重洲クリニック(東京都日本橋)

    ③東京女子医科大学病院④東京都立駒込病院⑤東京大学医学部附属病院

    AIC画像検査センター(茨城県つくば市)

    ❷筑波大学附属病院
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当サイト監修
Seishi Sawano, MD, PhD
澤野 誠志 放射線診断専門医
AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
AIC画像検査センター 理事長
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