膵の限局的萎縮、くびれ

膵の限局的萎縮、くびれ とは

  1. 膵萎縮とは、膵臓(すい臓)が全体的に薄くなってしまっていたり、限局的に萎縮することでくびれたようになっている状態を指します。
    膵臓(すい臓)の形自体は個人差や加齢による変化がありますので、従来は膵萎縮に関して問題視されていませんでしたが、膵萎縮の近傍部に膵臓がん(すい臓がん)を発症したという発表が相次いでおり、膵臓がん(すい臓がん)学会では膵萎縮自体も膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見であると考えています。
  2. 近年、初期の膵がんで膵実質の限局的な萎縮がみられる場合があることがわかってきました。
    限局的な萎縮や主膵管の広狭不正等が同時に認められる場合には、EUS(超音波内視鏡)等の精密検査を強く推奨しています。
    1. 膵萎縮の原因

    2. 線維組織が増えて膵臓が硬くなる過程で萎縮します。
        慢性膵炎(膵石症): 膵臓に炎症が繰り返し起こり、細胞が破壊されて線維化し、硬く萎縮する病気です。
        膵臓がん(すい臓がん): 実質にがんができると、周囲の慢性炎症、細胞の脱落、線維化により組織が引きつれ、局所的な萎縮やくびれ様の萎縮を引き起こしま す。
    3. 画像検査における特徴的な所見

    4. CTやMRI、超音波検査で以下の所見が見られる場合、注意が必要です。
        膵(すい)萎縮: 膵臓の厚みが全体的、または局所的に薄くなる。
        膵辺縁の凹凸不整: 膵臓の輪郭が滑らかでなくなる。
        膵内の石灰化: 炎症によりカルシウムが沈着し、硬い塊ができる。
        膵管の広狭不整: 膵管の一部が狭くなったり(狭窄)、広がったり(拡張)しま す。
    5. 膵萎縮に伴う症状

      1. 慢性膵炎の症状: みぞおちの痛み、背中の痛み、食欲不振、吐き気・嘔吐、腹部膨満感など、胃の不調に似た症状が出現します。
        膵臓がんの症状 初期は症状が出にくいのですが、進行すると腹痛、食欲不 振、腹部膨満感、黄疸(皮膚の黄色化)、背部痛、急な糖尿病の悪化などが見られま す。

膵の限局的萎縮、くびれ以外の画像所見が確認された事例

  1. 膵の限局的萎縮、くびれが発見される所見では、膵管拡張、膵嚢胞、膵石灰化など、その他の画像所見も確認されます。
    これらは、膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見であり、これらの所見は膵臓がん(すい臓がん)の発症が近づくと数が増えたり、悪化することがわかっていますが、その悪化は以下のような種類に分けられます。
      [画像所見の悪化のパターン]
    1. ・単独所見が経過観察で悪化
      ・複数の所見が経過観察で悪化
      ・所見の確認される数が経過観察で増加していくことによる悪化
    2. 【膵の限局的萎縮、くびれの経過観察事例】

    3. 膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見
      膵の限局的萎縮、くびれ
      • 2015年
        8月
        膵尾部の辺縁の凸凹が指摘されました。
      • 2019年
        9月
        悪化
        膵尾部の辺縁凹凸箇所がややくびれて見える状態。また、近傍部の主膵管拡張が生じています。
      • 2022年
        10月
        悪化
        萎縮の程度が上がり、近傍部の主膵管拡張の程度も悪化、分枝膵管拡張も生じています。
      当院が行っている工夫の膵臓の萎縮事例です。
      2019年9月にはやや悪化、2022年10月には顕著に悪化したことで膵臓がんの可能性を考えました。
    4. 下記は、膵の限局的萎縮、くびれと同時に他の膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見が発見された事例です。

実際の膵臓がん(すい臓がん)の早期発見事例

  1. 膵の限局的萎縮、くびれ、膵臓がん(すい臓がん)早期発見の事例です。
    1. その他の膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見

    5.膵臓がんの5年生存率を上げるには(当院の工夫)に戻る

    当院の診断体制をご紹介します
    • 経過観察で悪化しているか診断
      「MRI/CT等の画像検査で膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見」があります。 当該所見は膵臓がんの発症が近づくと悪化することがわかっていますので、経過観察時に行った検査画像を元にその差を診断することが非常に重要です。
    • スコアリングシート
      診断プロセスは画像診断報告書に記載されており、過去の診断書と見比べることで当該画像所見の推移がわかりますが、これをよりわかりやすくするため、膵臓スコアリングシートを作成しています。膵臓がんを早期発見するための取組み
    • 膵臓外来の医師が診察
      当院では膵臓がんの診断・治療に携わっている14病院の膵臓外来(膵臓臨床医師)と結果説明外来(放射線科医師) を設置しています。 各医師が、当院にて診療を担当します。
      AIC八重洲クリニック(東京都日本橋)
      ①公益財団法人がん研究会 有明病院③東京女子医科大学病院⑥東邦大学医療センター大橋病院⑦順天堂大学医学部附属順天堂医院⑧聖路加国際病院⑨東京医科大学病院⑩帝京大学医学部附属病院⑪東京科学大学病院⑫NTT東日本関東病院⑬国立がん研究センター中央病院⑭東京都立病院機構大久保病院

      八重洲クリニック(東京都日本橋)
      ③東京女子医科大学病院④東京都立駒込病院⑤東京大学医学部附属病院

      AIC画像検査センター(茨城県つくば市) ❷筑波大学附属病院
    1. 膵臓がん-症状と早期発見- >
    2. 膵臓がんの5年生存率を上げるには(当院の工夫) >
    3. 膵の限局的萎縮、くびれ
    当サイト監修
    Seishi Sawano, MD, PhD
    澤野 誠志 放射線診断専門医
    AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
    AIC画像検査センター 理事長
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