膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見に関するQ&A/ IPMNの予防的切除?
Q

IPMNを予防的に切除してしまうことは出来ないのでしょうか?

A
IPMNの予防的切除は、主膵管型のIPMNで主膵管に顕著な拡大が見られるものを除き、2021年現在、一般的には行われていません。

理由 01

膵臓は非常に重要な臓器であり、切除によりQOL(クオリティ オブ ライフ)が低下するため。

近年、膵臓がんが小さい場合には、膵臓の機能を残す手術方法が選択される場合がありますが、膵臓機能が100%残る保証はありません。予防的切除を行うことで膵臓の機能を失うリスクとIPMNのがん化のリスクとを天秤に掛け、一般的には予防的切除は行うべきではないと考えています。

理由 02

遺伝子変異が膵臓がんとなるまでの期間は非常に長いことがわかっています。

遺伝子変異が起こってから、膵臓がんになるまでの期間は10年から15年と言われています。膵嚢胞、限局的膵萎縮、主膵管狭窄・拡張などの膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見は遺伝子変異が引き起こされたことを示していますが、膵臓がんであることを示しているものではありません。この段階では、膵臓がんが出現するまでの期間が残されている可能性があります。

理由 03

IPMNを予防的に切除しても再発する可能性がある程度高いため。

膵臓がんの遺伝子変異は膵臓全体に生じることがわかっており、膵臓を早期に部分切除しても残された膵臓に再度膵臓がんが発症する危険性があります。

膵嚢胞性腫瘍術後再発のパターンを解明 -膵がんの早... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY- 作成:2021年9月9日
当院の診断体制をご紹介します
  • 経過観察で悪化しているか診断
    「MRI/CT等の画像検査で膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見」があります。 当該所見は膵臓がんの発症が近づくと悪化することがわかっていますので、経過観察時に行った検査画像を元にその差を診断することが非常に重要です。
  • スコアリングシート
    診断プロセスは画像診断報告書に記載されており、過去の診断書と見比べることで当該画像所見の推移がわかりますが、これをよりわかりやすくするため、膵臓スコアリングシートを作成しています。 膵臓がんを早期発見するための取組み
  • 全12病院の医師が診察
    膵臓疾患を専門とするAIC八重洲クリニック常勤医と12病院の膵臓外来(膵臓臨床医師)と膵臓ドック 結果説明外来(放射線科医師) を設置しています。 各医師が、当院にて診療を担当します。

    AIC八重洲クリニック(東京都日本橋)

    AIC八重洲クリニック①公益財団法人がん研究会 有明病院③東京女子医科大学病院⑥東邦大学医療センター大橋病院⑦順天堂大学医学部附属順天堂医院⑧聖路加国際病院⑨慶應義塾大学病院⑩東京医科大学病院⑪帝京大学医学部附属病院⑫東京医科歯科大学病院

    八重洲クリニック(東京都日本橋)

    ③東京女子医科大学病院④東京都立駒込病院⑤東京大学医学部附属病院

    AIC画像検査センター(茨城県つくば市)

    ❷筑波大学附属病院
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当サイト監修
Seishi Sawano, MD, PhD
澤野 誠志 放射線診断専門医
AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
AIC画像検査センター 理事長
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