事例紹介/事例26 病理診断の結果: ステージ1Aの膵臓がん

当事例の概要

分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を他施設で10年ほど経過観察をされていた方です。
2023/02/16 MRIでは、膵内に20mmまでの嚢胞、分枝拡張が多発、主膵管は軽度拡張(3.5mm)認め、EUS精査をおこなう方針となりました。2023/03/24 EUSでは、膵尾部小嚢胞の周囲に低エコー領域認めたため、5か月後に再度EUSを行う方針としました。2023/08/04 EUSにおいては、膵尾部嚢胞壁にドーナツ状の肥厚、狭窄を認める周囲に3ミリほどの低エコー領域を認め悪性の可能性を示唆した症例です。

術後病理結果

Pb,TS1(5mm),ly0,v1,ne1,mpd0,pT1a,pS0,pRP0,pPV0,pA0,pPL0,POO0,pPCM0,pDPM0,LN(0/19). 

撮影内容

内視鏡(EUS) (造影無)

所見

膵:慢性膵炎めだたず。頭部より尾部まで最大15ミリの多嚢胞性病変の多発体部の小嚢胞の集簇の中心にMPDが走行し、狭窄を認める周囲に低エコー領域IHLは保たれる。ドーナツ状。3ミリの大きさ主膵管拡張なし
胆道、乳頭:所見なし。

診断

PanIN IPMN疑い 膵癌疑い